スルガ銀行の「かぼちゃの馬車問題」に関する第三者委員会報告書に関する私見
不動産投資を行っている方であれば誰でも知っており、業界でも注目であった「かぼちゃの馬車」のサブリース事案について、
楽待実践大家コラムの内容は以下のとおりコラムで感想などを書いてきました。
「例のシェアハウススキームの破綻の件1」
「例のシェアハウススキームの破綻の件2」
「例のシェアハウススキームの破綻の件3」
「例のシェアハウススキームの破綻の件(おかわり)」
ご存知のとおり、スルガ銀行からは、第三者委員会の報告書が公表されており、報告書に関する私見を書いていきたいと思います。
私見
新聞報道などでは、不正を暗黙に許容する行内の雰囲気、苛烈なノルマやパワハラなどにフォーカスされた記事が目立ちます。
個人的には、第三者委員会の報告書には多少の残尿感を感じざるを得ません。
銀行のエビデンスさえそろえれば、オッケーという姿勢はスルガ銀行だけの問題ではなく、多かれ少なかれ多くの銀行に共通する姿勢であり、TATERUの問題にもそんな面が見え隠れしています。
当然ながら、スルガ銀行の場合は、報告書を読んだかぎりでは、その度が過ぎたというのはいうまでもなく、通常の銀行員感覚からしても、ちょっとひどいというのが感想です(審査ラインの方はそれなりに問題意識をもっており、抵抗した形跡はあるものの、結局は力のある執行役員に押し切られ、ずるずるいってしまったようですが)。
しかしながら、残尿感を感じるのはそんな部分ではなく、第三者委員会の役員の責任に関する記述部分です。
ざっくり言うと
もうすでにお亡くなりになられた創業家の元副社長←本件の元凶と思われるもののもうすでにお亡くなりになられているので、責任を問えない
元副社長のもとで案件を推進した執行役員←役員(取締役などの経営者)ではなく、あくまで執行役員なので、責任を負わすのは酷
当時の役員たち←営業にはほぼノータッチなので責任を負わすのは酷
結局のところ、暗に副社長が元凶ということを指摘し、他の関係者に一定の責任は指摘するものの、最終的な責任の所在は?という内容になっています(まさに死人に口なしとでもいうような・・・)。
実は、リーマン前後にも、銀行界では法人向けのプロダクトでおんなじような構造の問題が起こっていたことがあります。その際も、特に最終的な責任はうやむやのままでした。
歴史は繰り返す。
このような事案に巻き込まれないためには、投資家側が正しい知識と正しい判断力を身につけるしかすべはないようです。
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